糖鎖って聞き慣れないけど...

糖鎖は糖の鎖(くさり)と書いて「とうさ」と読みます。
私たちの身体は約60兆個の細胞から成り立っているのですが、その細胞の表面に産毛のようにくっついている物質で、細胞間のコミュニケーションの働きに大きく関わっています。

中学や高校の頃、「生物」で習った細胞の表面ってツルンとしたイメージがありましたが、私たちのプルプルお肌と同じように産毛が生えていたんですね。

糖鎖の役割は？

細胞の産毛(うぶげ)「糖鎖」は別名、「細胞の顔」とか「細胞のアンテナ・センサー」、「細胞間コミュニケーションツール」などと呼ばれており、大きく分けて以下のような役割があります。

• 隣接する細胞が「何ものなのか」「どういう状態なのか」を認識する
• ウィルスや細菌などを見分け、免疫細胞にその情報を伝達する
• がん細胞を見分け、免疫細胞にその情報伝達する
• ホルモンや酵素を見分け、細胞の中に取り込むかどうかを決定する
• ビタミンやミネラル、栄養素などを見分け、吸収の手助けをする

◆ここがポイント
糖鎖は私たちの体の防衛システムである免疫機能と深い関わりがある

8種類の糖鎖栄養素

糖鎖栄養素	含まれる食べ物
グルコース	ほとんどの植物や穀物類	通常の食事で摂取できる
ガラクトース	乳製品
マンノース	アロエ、サボテンなど	通常の食事では摂取が難しい
キシロース	樹枝の皮など
フコース	海藻類など
N-アセチルグルコサミン	エビ、カニの甲羅など
N-アセチルガラクトサミン	牛乳、鮫軟骨など
N-アセチルノイラミン酸	母乳、ツバメの巣など

糖鎖は、8種類の糖鎖栄養素(単糖類)でできていますが、現代のストレス社会、そして食文化の変遷によって、8種類のうちのせいぜい2種類くらいしか摂取できていないといわれています。

部品である糖鎖栄養素が足りない場合、細胞のアンテナはパーツ不足できちんと機能しません。
そのままにしておくと、糖鎖の異常や変形により、細胞間コミュニケーションがうまく作動せず、私たちの体の免疫機能に大きな影響を及ぼす可能性があるのです。

糖鎖が異常だとどうなるの？

「糖鎖の役割は？」のページにあったように、糖鎖は免疫機能と深い関わり合いがあります。

私たちの体を一つの国とたとえたら、免疫機能は警察や消防、そして軍隊の役割があります。
糖鎖はアンテナやセンサーの部分を担当しているので、免疫機能の「通信システム」という重要な役割を担っているのです。

軍隊や警察で、敵や現場の的確な状況判断とその正確な情報の伝達が大変重要なポイントになるわけですが、その通信システムに異常があるとどうなるでしょう！

私たちの体も常に外界にさらされており、病原菌やウィルス、花粉や有害物質の攻撃を受けているのですが、それを処理する免疫システムの情報システムである糖鎖に異常があると、想像しただけでも恐ろしいですね。

血液型占いは糖鎖占い？！

一般的に私たちが「血液型」を言うとき、A型、B型、0型、AB型に分ける、「ABO式血液型」が有名です。
実はこのABO式血液型の分類方法は赤血球に産毛のようについている糖鎖の違いによって決まっているのです。

O型の糖鎖の形が原形となり、A型にはA型の糖がくっつき、B型にはB型の糖がくっつき、AB型にはA型とB型両方の糖鎖がくっついているのです。

今、欧米でも日本の血液型占いが結構話題になっていますが、実は血液型占いは正確にいうと「糖鎖占い」なんですね！
糖鎖の違いによって、性格がわかるってすごいですね。
糖鎖って奥が深ーい！！

プルプルお肌と糖鎖の関係

私たちの体は、口から入ってくるもので作られています。
これは紛れもない事実です。
おいしいフルーツや野菜、ご飯やお肉。
中にはお菓子やカップラーメン、アルコールやタバコ・・・
あんまり体に良くなさそうなものもついつい口に入れてしまいます。

この口から入ってくるものを体の中に吸収するか、それとも外に出してしまうかは、はてさて誰が判断しているのでしょう？
実は、栄養素にしても毒にしても外からの侵入物は全て、細胞ひとつひとつにくっついている糖鎖によって見分けられているのです。
いくら口でおいしいと感じても、体に必要でないものが入ってきたら、また体の外に出て行ってもらうというわけです。

プルプルお肌、これも例外なく小さな細胞の寄り集まりでできあがっています。
そのプルプルお肌に必要な栄養素や酵素などを糖鎖が的確に判断し、伝達していれば、食物やサプリメントから吸収してくれる訳です。